実写版銀魂はただの銀魂だった話
2017年様々なジャンルの映画を観ましたが、個人的に一番面白かったのは映画実写版「銀魂」でした。原作漫画やアニメは前から好きで見ていたので、実写化すると聞いた時はこれまでの漫画作品の実写映画化の失敗を思い出し、とても動揺してしまいました。しかしながら、監督はあの「勇者ヨシヒコシリーズ」を作った福田監督だというので、監督のファンだった私は信じて映画公開を待つ事にしました。
公開までの間にも、実写版万事屋がアニメ銀魂に乗り込んで来て次回予告を乗っ取ったり、ジャンプフェスティバルイベントでアニメ銀魂の声優さんが直々に監督に応援メッセージを送るなど、実写版銀魂への盛り上がりはどんどん強くなっていきました。そしてとうとう公開日。わくわくと拭えない不安に苛まれながら、私が見たものは、“銀魂”そのものだったのです。まず小栗旬の主人公、坂田銀時の再現度たるや驚きを隠せませんでした。あ、銀時だ！と刷り込まれるその自然な存在感はもはや驚きです。実写版のルパンをやった時とは変わり、全く違和感を感じなかったので本当に助かりました。そしてご本人も研究したという、菅田将暉のツッコミ役、志村新八。全身全力でボケに食いつく姿は流石だと思いました。万事屋のヒロイン神楽を演じる橋本環奈。まさか1000年に一人の美人アイドルに思いっきりゲロを吐かせるとは。更に、真撰組の近藤勲役の中村勘九郎を全裸にして局部にモザイク処理するとは。本当大丈夫なのだろうかと思いながら、これだよ！これ！と興奮している私がおりました。映画館内も普段なら声を出して笑うなんて否めないのに、実写版銀魂は自然とお客さんが笑ってしまう空気感で和やかになりながら鑑賞する事が出来ました。ギャグテイストから始まった映画はどんどん中盤でシリアスな「紅桜編」へシフトしていきます。実は原作アニメを通った銀魂ファンはこの「紅桜編」を原作→アニメ化→アニメ映画化と既に三回は見ているので、一字一句迷わずストーリーを熟知しているのですが、福田監督の計らいでストーリー展開が変わっておりました。実写版映画にはよくこの手の改変が行われて、ストーリーがおじゃんになる事が多いのですが、この改変に関しては原作ファンにとってはとても熱い内容できっちりと納めてあるので納得以上の出来でした。また、敵役側の高杉晋作役の堂本剛の存在感たるや、カリスマ過ぎて素晴らしかったです。そして部下の来島また子役の菜々緒や武市変平太役の佐藤二郎もギャグシーンのタッグ感が面白かったです。正直佐藤二郎は佐藤二郎だし、源外役だったムロツヨシはムロツヨシでキャラというより役者ご本人という感じでしたが、やはりそこは福田監督の手腕というのでしょうか。それが逆に味が出てるというか、それこそが実写版銀魂だなぁと感じるとこでした。他キャストも豪華な上にキャラクターが3次元をかたどったような再現度なので、実写版どうなのかなという銀魂ファンでも安心して見てほしいと思います。
