映画「聖の青春」は、魂の棋譜を指す
森義隆監督による２０１６年11月１９日に劇場公開された実話を映画化したストーリーです。幼いころから腎臓の難病であるネクローシスに苦しんで入退院を繰り返してきた主人公の孤独が、松山ケンイチの迫真の演技から伝わってくる映画になっています。
無敵に近い天才棋士羽生善治を追い詰めた唯一無二の存在を演じていくために、肉体的にも精神的にも役作りでアプローチをしています。自らの生命を削りながらも将棋をさし続けていく様子には、鬼気迫るものを感じました。聖のライバル役には東出昌大、弟役には染谷将太などの原作に感銘を受けた多くの名キャストやスタッフが集まっています。わずかな２９年間の生涯を駆け抜けていった壮絶な姿には、如何にして生きるかだけではなく如何にして死んでいくかのメッセージが込められています。勝負の世界に存在するのは同情や情けではなく、ただ自分が勝つか相手が勝つかしかない厳しさについても考えさせられる映画になっています。
