白い巨塔、唐沢寿明版
最近亡くなった山崎豊子原作の白い巨塔、唐沢バージョンを再放送で観ました。回を重ねるにつれ、主人公の財前五郎が悪役として表情まで変わっていくところがものすごく引き込まれたところです。
それに反するように、良い人役の里見を演じる江口洋介がますます良い人として引きたてているように思います。また、それでもこの二人が不仲のように見えて、お互いの能力を認め合っているところが垣間見えるところが魅力的です。大学病院の医者夫人の婦人会なども、今はこんなこともないのでしょうが、着飾って夫の地位順に並んだりと、まるで別世界で、自分とは違う世界をみることができて面白いなと思います。最後は、財前の死によって、裁判もドラマも全部終結してしまうのですが、最後に、癌治療の最前線にいる医者である自分が手術ができない癌で死ぬことを恥じるとしたためた手紙を、唯一信頼していたといえる里見医師に送るところでは悪役だったけれど、涙が出ました。
