十二人の怒れる男 法廷サスペンスの傑作
この作品は何といっても、ほぼ一つの部屋での撮影にも関わらず、緊迫感があり目が離せない展開になっているのが、すごいと思います。黒人少年が父親を殺した罪で捕まり、裁判が始まります。
判決について、12人の陪審員に託されるのですが、最初はみんな黒人だということもあり、有罪だと決めつける人ばかりでした。そんな中1人だけ異議を唱える人が出ることで、議論になっていきます。基本的に陪審員は一般人なので、みんなその後の予定があり、早く終わらせたく思っている中、1人が無罪を主張するので、何とか意見を有罪に変えようと必死になります。ただ推定無罪の観点から、逆にどこに有罪の確証があるのかを問われた11人は明確な答えがないことに気づき、次第に少年の無罪を示唆する証拠が出て、1人また1人と無罪に意見を変えていく。最後のみんなが無罪に意見が一致するシーンは必見です。この作品は、偏見や先入観で人を判断すべきではないという強烈なメッセージのある作品だと思います。