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映画感想レビュー「LIONライオン25年目のただいま」評価ネタバレ注意『実話をもとにして制作されたもので、インドの町で迷子になりオーストラリアで養子として育った青年』。 #MOVIE

日本との違いにいろいろ考えさせられる「LIONライオン25年目のただいま」

この映画は実話をもとにして制作されたもので、インドの町で迷子になりオーストラリアで養子として育った青年が、グーグルアースと自分の記憶を駆使して故郷を探し当てる物語です。
前半はインドの情景が描写されますが、人の多さ、土ぼこり舞う乾いた風景、生きるために日銭を稼ぐ子供たちの姿に目をみはります。圧巻はターミナル駅の情景です。押し合い、ひしめき合いながら我先に列車に乗り込む人々、小さな迷子の子になど目を向ける余裕のない殺気立った券売所…日本とのあまりの違いに愕然となりました。どのようないきさつからなのでしょうか、家族もなく地下街で体を寄せ合いながら夜を明かす子どもたちの姿には思わず目が潤んでしまいます。
後半はタスマニア(オーストラリア)での主人公の生活がつづられます。養父母の愛情を受けて恵まれた環境で暮らす主人公ですが、故郷と本当の家族への思いから全てを投げ出して故郷探しを始めるのです。25年も経ち、何一つ不自由がなくてもふるさとというのはこのように人を駆り立てるものなのかと考えさせられました。また、養父母の考え方も日本人にはなかなか理解が及ばないものだと思いました。というのも、自分たちの本当の子を産むことができるにもかかわらず、一人でも世界の貧しい子供を助けたいとの思いから養子を育てる人生を選んだ、というのです。全く容貌も言葉も違う異国の子供を養子にするというのも、なかなか日本人にはできないことだと感じました。ただ一つ気になったのは、幼いころに丸顔だった主人公が面長に成長していたことですが、そのような些細な違和感も吹き飛ばす感動をもらえたストーリーでした。
この映画は本編に付随したプロローグの部分が圧巻です。映画のモデルになった本人たちと、実際の再会の様子が映されるのです。自分を含め、多くの観客が涙をぬぐっていました。真実をもとにしているからこその、決して派手ではないけれど力強く、心を揺さぶられる映画でした。