きのう何食べた？ 9巻 よしながふみ先生
よしながふみ先生の作品が好きで、この作品は１巻からずっと買っています。漫画としてもレシピ本としてもおすすめの本です。
４０代の同棲中のゲイカップルやその周りで起こる人間模様を描いた作品なのですが、ヒューマンドラマでありグルメ漫画です。毎回お話に寄り添うような形で手作りのお料理がでてきます。しかも作っている登場人物がこと細かくレシピを解説してくれるんです。それが奇をてらった独創的な料理ではなく、お母さんが作ってくれたような肩肘はらない家庭料理。丁寧に描写された１コマ１コマから作者の料理に対する愛情が伝わってきます。
人間関係に関する描写も美しく、登場人物の気持ちをちゃんとすくってくれていてとても安定感のある愛すべき作品だなとわたしは思っています。
９巻では、主人公・史朗(しろう)さんの５０歳の誕生日のお話があってびっくりしました。連載当初は４３歳だったのに７年も時が過ぎてたとは！！と思ってたら、連載が始まったのは２００７年。わたしと同じ速度で年をとっていたのですね(笑)；
変わっていくのは年齢だけではなく主人公を取り巻く環境も少しずつ変化していっています。９巻の最後はお母さんにある病気が見つかった所で終わったので心配です。現代の医療は進んでいるので、１０巻であっさり治ってくれてたらいいのにな。
「えー！？この先どうなっちゃうの！？」みたいなドキドキハラハラ感はないのですが、この作品が一体どういう形で終わるんだろうと色々と予想して楽しみです。史朗さんが５０歳になったので、終わりも近いんじゃないかとわたしは思ってるんですよね。あーでも７０歳８０歳の老後生活を描くのも楽しいかも知れない。よしなが先生の美形おじいちゃんも見てみたい。なんてダラダラと妄想しています。
男女とわず、親世代にも好まれる作品なので機会があれば是非読んでみてください。
