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ダイの大冒険/最終回感想ネタバレ注意!地上の人を守るために爆弾抱えて空へ飛ぶダイとポップの姿に、終わりとしては…(あらすじ)。

ダイの大冒険 続きの気になった最終回

私がまだ小学生の頃、続巻を心待ちにして読んだ漫画は「ダイの大冒険」だった。
多くの漫画がそうであったように、この漫画もまた、熱血、友情。そして世界を救うお話という三本柱だった。その中でも一際この漫画が心に残っているのは、やはり最終回のインパクトゆえではないだろうか。

特に私が好きだったキャラクターは、ポップというどこまでも凡人の精神をもった非凡な少年なのだけれど、彼と主人公・ダイの友情は現代社会の薄っぺらな人間関係しかもたない私にとってはとても魅力的だったし、戦いから逃げる精神の弱さを見せつつ、尚踏ん張ってダイを支えるポップは、多くの人に共感と感動をくれたように思う。
それだけに、最終回でのダイとポップは印象的だった。
地上の人を守るために爆弾抱えて空へ飛ぶダイとポップの姿に、終わりとしては納得いくものがあったのだけれど、それも次のページで崩れた。そこにはポップを蹴落として、自分一人で爆弾を抱えるダイの姿があったからだ。正直衝撃的だった。友情が一つの大きなテーマであった本作品、親友を死なさないために突き落とす。残された人の気持ちは考えない。ただ生きてほしいから。
漫画というのは本当にすごいな、とその時心底思った。ここまで人を惹き込んで、親しい人の「死」というものが、どれだけのインパクトを持つのかを伝えることができるのだから。
まだ身近な人の死に直面したことのない子供が、少しとはいえその感覚を体感して、胸を掴まれるような息苦しさを覚える。そのインパクトは大人になった今、懐かしさと共に思い出される。
とはいえ、最終回の最後には「まだ生きているかもしれない」という希望を残し、主人公を探す旅に出る仲間、という絵で終わった本作品。まさかの主人公生死不明というこれまでにない終わり方の割に、なんだかしっくりくる、でも続きを読みたい!と読者に思わせた、本当に稀有なお話だった。