『秘密』 何が”秘密”なのかを知った瞬間が泣けます。
東野圭吾原作の小説である『秘密』を映画化した作品です。主演は広末涼子さんで他に小林薫さん、岸も加世子さんなどが出演しています。
映画を見た当初、私は原作を読んだことがなかったので、映画の結末を知りませんでした。だから最後に秘密の意味を知った時の衝撃はすごかったです。
父(小林薫)、母(岸本加世子)、娘(広末涼子)の三人家族で、母と娘がバスの転落事故に合ったことから物語が始まります。二人は病院へ運ばれますが、母は亡くなりますが、意識が戻ったのは娘だけでした。しかし、意識の戻った娘の身体には死んだはずの母の心が移ってしまっていたのです。逆に娘の心はなくなっていました。父はその事実に困惑しながらも、”二人”が生きて帰ってきたことを喜びました。このことは周りに伝えることはできないので、家族だけの”秘密”でした。
見た目は”娘”と父であるため外に出れば親子の関係ですが、心は妻なので家では夫婦としての関係です。夫は妻を愛していますが、いざ夫婦としての関係をもとうとしても見た目が娘であるため女としてみることができません。しだいに二人の気持ちが離れていくようになり、関係は悪くなっていきました。
そんなある日、突然娘の身体に娘の心が戻るようになります。その時間は徐々に長くなり、気が付くと妻の心よりも娘の心の時間の方が長くなるようになっていきます。娘と逢える喜びを感じながらも、妻との時間が少なくなっていくことに不安を感じるようになります。それは的中してしまい、最後は娘の心だけが残ってしまいました。
その後娘は結婚することになります。そして結婚式を迎えて日、娘が父に近づいたときにある仕草をしたのです。それは夫婦だけしか知らない仕草だったのです。そのときハッと気が付きます。娘の身体に生きているのは”妻”だったのだと。妻は夫のことを想い”秘密”にしていたのです。男は、二人同時に愛するものを失ってしまう気持ちを考えると、本当に泣けてしまいます。まさに泣ける映画だと思います。
ありがとう寄稿。
ミステリー映画ですので、ネタバレになる部分はここから先に書きます。オチを知りたくない方は、次の行だけ読んでください。
感想レビュー「この子の七つのお祝いに」残酷な、あまりに残酷な、愛憎・おすすめ泣ける映画(ネタバレ注意)。 - ナカノ実験室