『字体のはなし』（財前謙）：子育て中の親御さんは読むべき
最近、漢字の書き順や細かいトメ・ハネなどについては、学校現場であまり細かく指導しない方針が決まりました。
このことに対して、子供が正しい漢字を覚えられなくなると心配する親御さんは多いと思います。
そのような心配を払拭してくれるのが『字体のはなし』です。
筆者は概念としての漢字を「字種」といい、これを形で捉えたものを「字体」として区別します。
具体的には、齊・斉・齋は全て字体が異なりますが、字種としては全て同じとなるのです。
したがって、同じ意味を表わすのであれば、多少の字体の違いも容認するべきという結論に至るのです。
正直、この説明だけでも「なるほど」と思われる人も多いのではないでしょうか。
さらに、異なる字体がなぜ認められなくなったのかという問題については、印刷文字と手書き文字の違いという観点から説明されています。
ここから先は、ぜひ本書を手にとって読んで欲しいのですが、この本には私たちが見落としている「手書き」という文化の重要性が詰まっているように思います。
印刷文字はどのような細かい点も忠実に再現できるが、手書き文字では人のクセや習慣で省略が起こります。
そして、現在では印刷文字に触れることの方が圧倒的に多くなっており、普段使われる漢字の字体が印刷文字中心になっていることも事実です。
現代人が印刷文字に親しんだ結果、他の字体を認めない風潮が生まれたのではないでしょうか。
何かと他者理解や寛容が求められる現代。
『字体のはなし』で示されるような幅のある漢字が許されるかどうかが、現代社会の試金石のような気がします。
ありがとう寄稿。
小学生時代の就寝時間は21時だったため、同時刻から始まるこの番組を見るのは本当はできなかったのですが、たまたま初回を見れる機会がありその後このドラマだけは見たいとお願いして見ていました。
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