人たらしを許さない私の経験について
職場で知り合ったその人は、私の仕事の仕方を誉めてくれました。一生懸命に仕事に向かう姿がいいと言ってくれました。ともすれば手を抜いて楽をして、それで同じ給料が手に出来るなら、それが賢い生き方。私は自分の上限を知っているつもりです。
一生懸命やれるのにも、限度があることも知っています。年齢的な、体力的な、限度が自分にはあるのです。誰にでもあるのです。手を抜いて生きて来なかったから、上手な生き方は知りません。だから凄いでしょ、と言いたいのではなく、そもようにしか生きられない、不器用で不自由な自分だと知っています。燃え尽きるまで一生懸命やるから、途中で疲れてしまう。一編に動けなくなってしまう。そんな意味では、自分を制御できない自分だとすればそれは、社会への適応性において不十分かとも自覚するのです。
私を誉めてくれた人は、そんな私の生き方の悩みにもアドバイスをしてくれる人でした。
ある日、私に彼が言いました。
まとまった金を都合しなければならない。
助けてほしい。
私は彼との交際も、仕事も全て絶ちました。
金銭の貸し借りを求めてくる人は、決して友人ではない。すべては、そのための筋書だった、と私は判断しました。
人を、『たらす』人を許さない。
長年勤めた会社も、離合集散を繰り返し、最期には、年をとった社員をたらして、退職勧奨を進めた。
私は、人たらしを許さない。
決して許さない。
