高校生のわたし、今の私。矢沢あいが教えてくれた大人。
私が以前読んで、印象深い最終回だった漫画…たくさんありますが、その中でも、矢沢あいのパラダイスキスは当時とても心に響きました。心に響く…と言うと語弊がありますが、私にとって初めて主人公がヒーローと最終的にくっつかない漫画だったので、とてもびっくりしたのを覚えています。
真面目で進学校に通っている主人公、紫(ゆかり)と、服飾デザイナー志望のジョージとの恋愛物語。物語、はじめの方で2人は付き合います。しかし、最終回はそれぞれの道を進む上で、2人は別れてしまうのです。普通の少女漫画だったら、数年後に再会してハッピーエンドということが安易に想像できますが、この漫画では違いました。紫は別のパートナーを選び、夢を叶えたジョージの晴れ舞台を観に行く、というところで漫画が終わります。
私は物語の主人公とヒーローがくっつかない漫画を当時、初めて読みました。その頃高校生だった私は、納得いかない、モヤモヤする、と友達と言いあったのを覚えています。しかし、今は主人公達の気持ちが分かる年になりました。
付き合うという形でなくても、お互いを支え合えるということ、夢を叶えるために別々の人生を歩むこと。多少は酸いも甘いも経験してきました。今思えば、最終回はハッピーエンドだと分かります。私はこの漫画のテーマ「人生の彩り」について少し何か学んだような気がします。
