紙の月、女がだめになるのは誰のせい?
角田光代さんの小説『紙の月』が先日ドラマ化されていた。私はどんなに人気があってもドラマなど見ない、というか小説がドラマ化されるとたちまち面白くなくなってしまうと思うからだ。
たまたまニュースを見たくてテレビをつけたとき、紙の月の2話目が放送中であった。普段ならすぐチャンネルを変えてしまうのだが、画面の中の主人公が偽造証券を作ってそれを元手に顧客の老人たちを騙してしまうシーンだったため見入ってしまった。主人公の女優さんは気品があり、お金に不自由していない暮らしぶりで、お金をふんだくろうとするにはいささか人が良すぎるように見えた。犯罪とは縁が遠そうなのに、なぜ?という興味が沸いた。
他にも主人公の女友達たちはお金に振り回されたり、虚しさや見栄にお金を注ぎ込む。男にはわからない寂しさやいらだちが上手に描かれていたドラマだった。