家元ならではの名人芸・・・立川談志師匠
噺家さんをお笑い芸人と括るのも如何なものかとは思いましたが、笑いという共通点に焦点をおいて、敢えて書かせてもらいました。
故人となってしまいましたが、私は、談志師匠が大好きでした。あれほどの型破りで豪快な、それでいてテレビなどの生放送に出演させるのに大きな決断を迫られる芸人さんは、今となっては無きに等しいのではないでしょうか。
談志師匠と言えば、あまり知らない人にとってはハチャメチャな落語家という印象が強いかと思いますが、芸に対する真剣さ、真摯なスタンス、それは例え人生を棒に振っても貫き通す、というほど一貫しており、ゾッとするほどの迫力がありました。芸同様、生き方も談志そのものでした。好きな演目と言われると、正直絞り切れず、あれもこれもとなってしまいますが、「勘定板」などは、アンジャッシュのネタにも通ずるとこがあり、分かりやすくて、ゲラゲラ笑えておススメですね。突っ込む暇も与えない、畳み掛けるような話術は、上方にも江戸にもない、家元ならではの個性溢れる芸風でした。今でもたまに昔の映像を見ると、愉しくて仕方ありません。
私にとっては唯一無二の名人です。
